院長のささやき

2023年03月21日

冤罪 そして虚偽の自白(独唱)

世の中で“冤罪”、が話題である。

冤罪とは、“無実の罪”を意味する言葉である。

家庭、職場、交友関係・・・

みなさんも、”無実の罪”を疑わたことは、無いだろうか。

私は高校時代、まさに”無実の罪”を疑わた事が、ある。

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それは岡山高校で、部活帰りの寮で起きた。

寮の玄関で寮監のS石先生に、“西山、チョット来い。”と寮監室へ。

 

“座れ。”

当然、正座、である。

 

“お前がそういう奴とは思わんかったぞ!

西山、わかるよな!!”

 

・・・・・・・・・・・・え?

何の事でしょう!?

 

“お前、タバコ吸っただろ!

お前の体からヤニの匂いがプンプンするぞ!!”

 

ええっ!?

さっき柔道の練習終わったばっかりですよ!

ボコボコに投げられて、やっと寮に戻ってきたんです!!

 

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私は、頭の中が真っ白になった。

ちなみにS石先生、元日体大柔道部、ガチンコ格闘家である。

言葉ではとても表現できない、ものすごい“圧力”である。

 

俺、吸ってないけど・・・

でもS石先生に生返事で否定すると、命が無いような気がした。

全身汗だく、意識もだんだん遠のくような気が・・・

 

私は、この突然の圧力から開放されたい衝動に駆られた。

“虚偽自白”・・・つまり、“吸いました”と、罪を認めてしまいそうになったのである!!

 

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ここで、同じく寮監のA福先生が、戻ってこられた。

A福先生と、S石先生が、神妙に話をされている。

 

30秒くらいの時間が経過しただろうか。

“ほわっとした空気感に、なった。

(この“ほわっ”と感が、忘れられません)

 

実はこの日、A福先生に柔道の稽古をつけていただいていたのである。

A福先生のタバコの匂いが、私の柔道着と体に残っていたようなのだ。

 

S石先生、再度私の柔道着をクンクン。

今思うと、“体育会系小芝居”である。

 

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“お~西山・・・立て。(ニヤリx2)

ヨシ!帰っていいぞ!!”

 

日体大、天理大ご出身の2大寮監に笑顔で見送られながら、

“あ、どうも~”

全身汗だくで寮監室を出たのである。

 

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“冤罪”の多くは、“虚偽自白”を経ての再審が多いそうである。

虚偽の自白は悪いです。

でもみなさん、言葉にならない“圧力”に、耐えられますか?

S石先生、マジ怖かった・・・

 

冤罪で苦しんだ方、大変だったかと存じ上げます。

俺には(ちょっとだけ)、その苦しみが、分かるかも!

 

 

でも世の中無実の罪をかぶせた側って、“え、そんだけ?”っていう謝罪感ですよね。

もうちょっとちゃんと謝ってくださいよ!

 

“S石先生、ちゃんと謝罪してくださいよ!”

私は、タイムマシンであの現場に戻っても・・・

 

絶対に言えないのである。

しょぼいぜ、俺。(おしまい)