先日、倉敷中央病院リバーサイドの連携会にお邪魔した。
妻に新倉敷駅に送ってもらい、電車で倉敷駅へ。
雨なので商店街を歩いていると、ワインバーを発見。
10分だけ、寄り道しよっかな~
おや?ふと気づくと、目の前にワインが。
ちょっと、ダラダラしよっかな~と思ったその時。
大原美術館のカタログが眼の前にあった。
パラパラめくっていると、バーのマスターと絵画の話になった。
ベルギーの巨匠、レオン・フレデリックの超巨大なあの作品・・・
「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」
・・・ぜったいに覚えられない名前だが、いちばん大きな絵ということで、マスターと話が通じた。
25年の歳月をかけた大作なんですよ~
しかも、娘さんが絵の中で書かれていて、
à notre bien aimée fille Gabrielle
(私たちの愛する娘ガブリエルへ)
というメッセージが絵の中に。
赤い花輪の少女がガブリエルさんだそうです。
作品完成途中で、娘さんお亡くなりになったんだそうですよ。
そんな大作を、児島虎次郎さんが倉敷に持って帰られたんですよ~
すごいっすよね~
・・・とマスター。スゴイよくご存知。
むっちゃアートな方でした。
・・・・・・・・・・・・・・
なるほど~勉強になりました。ありがと~
・・・とキモチ良くなりながら、アイビースクエアへ。
歩きながら、ちょっと考えました。
この絵画を購入したのは1920年頃、大正時代です。
ヨーロッパ人からすると、まだ”日本ってどこやねん?”という時代。
多少、ジャポニズムでアート界隈では日本のバリューはあったとはいえ・・・
しかも、オークション落札でもなんでもなく、直接交渉です。
最初は、門前払いされたはずです。
イチ日本の画家児島虎次郎がベルギーに訪れ、”あなたのあの大作、売ってください”と言い・・・
結果フレデリックさん、よく首をタテに振ったよな・・・
25年の大作、しかも愛娘へのオマージュを込めた作品を、ひとりの若い日本人へ託したわけで。
フレデリックさんも凄いが、やはり児島虎次郎がスゴイ!
・・・と、若干足元がふわふわしながら、思った次第です。
・・・・・・・・・・・・・・
ん?児島虎次郎の親友と言えば・・・
児島虎次郎をバックアップした倉敷中央病院創始者大原孫三郎さんも、やはりタダ者ではない!
彼の存在なければ、児島虎次郎は訪欧できなかったのであるから。
しかも、この絵の同じサイズで美術館を建立・・・
カッコよすぎる男気・・・
大原孫三郎さんは、さらに医療界にも革命を起こした。
イチ実業家が、なんと京都大学に頼みに行って、医師派遣を実現したのである。
今だったら、孫正義さんでも実現できるかどうかわからないウルトラCの交渉力である。
うーん、タダ者ではない男たちあふれる大正ロマン!
当たり前に受け入れているけど、思い返すとスゴイ事って、あるよな・・・
そんな妄想しながら、アイビースクエアにたどり着いた次第です。
・・・しまった!中島院長とのツーショット、撮り忘れた!!
(おしまい)