2012/8/24に、大阪は住吉区にあります、阪和住吉総合病院の呼吸療法士でご活躍中の山本 敏光さんに御講演頂きました。
(突然ですが第2部<打ち上げ>の写真です 右が山本さん、中央が大川先生です)
山本さんは御年42歳だそうですが、カリスマ美容師のような抜群のスタイルとファッションセンスで、30代にしか見えませんでした。
“えーっあの男性が看護師さん!?”と当院では騒然となりました。
山本さんですが、看護師の資格に加え、呼吸療法士、鍼灸師、救急救命士の資格を持っておられるという、マルチタレントな方です。
すごいですね~ ドラクエなら“ゆうしゃ”か“スーパースター”に転職するパターンです。
阪和総合病院は、“錦秀会グループ”という、6000床余のベッドを持つ(5医療法人2社福法人)巨大グループに所属する病院で、USJの近くにあるそうです。
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6000床って…すごいグループですね。
うちなんか77床でピーピー言っているわけですから、格が違うというか…
やはり都会ってすごいですね。桁外れです。
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このたび山本さんに御講演頂いたテーマは、
・ 非侵襲的陽圧換気療法
(NPPV:non-invasive positive pressure ventilation) について
・ チーム医療:呼吸療法部の取り組みについて
という内容でした。
コメディカルが重症患者さんを管理するにあたり、まずぶつかるカベは“人工呼吸器管理”です。
山本さんは、“積極的にNPPVを導入しましょう”という前向きなマインドのもと、分かりやすく人工呼吸器について御講義頂きました。
実際阪和総合病院さんでは、積極的にNPPVを導入し、呼吸器疾患や心不全患者さんをバンバン治療されているそうです。
しかも呼吸器管理について、医師主導ではなく、あくまでチーム主導で行う、という新しいスタイルで取り組んでおられるところがすばらしいと感じました。
実質上は、コメディカル主導で医師に確認しつつ管理を進めておられるそうです。
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“コメディカル主導型のチーム医療”というのは、ひじょうに興味深くもあり、ある意味医療界を引っくりかえすような大きな取組だと思います。
海外ではトレーニングを受けたコメディカルが、手術の助手や集中治療サポートをバンバンやります。
日本ではコメディカルの上乗せ資格もたくさんあるのですが、残念ながらコストアップにつながらないことが多いですし、結局責任のある職務に就けない事が多いです。
何だかんだ言って、今まで日本の医療業界は医者トップダウンで動いてきた歴史があります。
“コメディカルは医師の指示のもと動くべし”“コメディカルは医師の指示に従うべし”という医師法の流れを引きずっているのです。
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こういった風潮もあって、本邦ではコメディカル達が医療を引っ張っていこう、という気概がなかなか持てない状況があります。
また日本の風土といいますか、批判される立場にはなりたくない 上に文句言っていた方が楽 でも下の立場になるのは微妙にイヤ・・・という残念な雰囲気の方が多いのです。
とくに医療業界はそのへんある意味顕著で、出る杭が“打たれる”ではなく、“引きずり落とされる”というような変てこな後ろ向きオーラが発生しやすいのです。
ハッキリ言って、そういうのは私はキライです。
(独り言です)
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講演後の質問コーナーで、山本さんに数々の御金言を頂きましたので紹介します。
・ キャリアを積んだコメディカルは、能力を自分のものだけにせず、下の者を教育していくことを
モチベーションにするべきである
・ “OOの施設ではこうだった”と批判するだけでは単なる自己満足である どうやって自分の能力が
職場に貢献できるかを考えるべきである
すばらしい!私は感動いたしました。
こういう前向きなマインドが医療を変えるのだと思います。
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最後に、“チーム医療CE研究会”という勉強会がある、とのことで、私たちも一度勉強に行ってみようかと考えています。
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当院もこういった取り組みを導入出来れば、と勝手に妄想しています。
山本さん、そして大川先生、貴重な講演をありがとうございました!