とある他県での研修会の帰り道の話。
駅への帰路で交通事故があり、通行不能となっていた。
仕方なく、別の道を歩くハメになった。
裏道のような道に迷い込んでしまった。
マズイな・・・
Google mapで調べよう。
すると突然、後ろから自転車の男がぶつかってきて、スマホをひったくられてしまった!!
待てーっ!猛然と追いかけるも、チャリは逃げ去ってしまった。
なんてことだ!道がわからなくなった!
あれ?ここはどのへんだ?
マズイ。帰りの新幹線まで、あと1時間しか無いぞ・・・
コンビニで電話を借りよう。
が、こういうときに限ってコンビニが全く見つからない。
では交番はあるかな?盗難届も出したいしな・・・
しかしそんなに都合よく交番は、見つからない。
トボトボ歩く。
ダメだ・・・今日は岡山に戻れる気がしない。
歩き続けて数十分、なんだか閑静な住宅街に入り込んでしまった。
だれも歩いてないじゃん。何で・・・?
この辺の家、大きな門構えばっかりだし、何か怖いカンジ・・・
ワンワンワン!! ここの番犬、ドーベルマンやん・・・!!
安易にピンポンして相談できる雰囲気じゃないぞ・・・
だんだん暗くなってきた。
ゲッ!しかも小雨が降ってきた。
あら?なんか集団墓地みたいなところがあるな。
おっと、良いところに公衆トイレが。
ちょうどもよおしてきたし、お借りしましょう。
フゥ~・・・お小水を出してちょっとホッとしたな。
御宝物を収納しようとしたその時・・・
”すみませ~ん”
突然奥の大便用トイレから、声がした。
えっ?奥に誰かいるの!?
何かコワイし、無視したいとこだけど・・・
ちょっと待て。
この人に電話を借りて警察に電話すれば、帰れるんじゃないか?
タクシーを呼んでもらう手もある。
”すみませ~ん カミがないんです~”
カラカラカラ・・・
トイレットペーパーの芯棒の回る音がする。
そして、ジャー、と、流す音がした。
ズボンをさぐると、ポケットティッシュがあった。
これでこの人を助けて、交換条件を引き出そう。
”カミをくださ~い カミをくださ~い ”
わかりました。協力します。
ドアをノックしようとしたその時・・・!
“オマエのカミ”
じゃ~!!
ギャ~!!!!
トイレから男が襲ってきた。
私は皮膚ごと髪の毛をもぎ取られた。
猛烈な痛みとともに、血液がタイルを赤く染める。
意識が薄れる。
頭がツルツルのこのオトコ・・・
どこかで見たことがあるような・・・
カミはちぎれ、大量出血でさらに意識が薄れていく。
あれ?なんかモゾモゾする。
そういえば俺、”御宝物”をちゃんと、仕舞っているか?
こんなときに、どうでもいいだろ!
いや、どうでもよくない!
俺は宝物開陳で、一生を終えるのか・・・!?
もしかして警察に検死されるかも。
そんな!開陳検死は、イヤすぎる!
イテテ、頭が痛い!
そして、モゾモゾが、とまらない!!
妻、そして子どもたち、すまん。
開陳のまま、パパは人生を終えるよ。
頭ガリガリあちらモゾモゾ、ああ・・・
・・・・・・・・・・・・・
“ニャ~ニャ~ ガリガリ”
ハッ!!
ゆ、夢!?
汗だくの俺。
そして肩に乗っかって髪をガリガリひっかくネコちゃん。
もう1匹は、私の御宝物付近でゴロゴロ鳴きながら寝ている。
あ、暑い・・・
冷房効いていないじゃん・・・
暴れるだけ暴れて爆睡の保護猫コンビ。
カワイイが、このカミは、だれにも渡さん!
○ロペシア、飲んで寝よっと。
君たちも、タイヘンだよな・・・
開陳とか、わけのわからないことを妄想して、ゴメンね・・・